海ぶどうのこだわり
生産者に、 美味しい海ぶどうの生産と 秘訣についてを 金ちゃんが聞いてきました。
山川氏は現在漁協などをほとんど通さずに独自のルートにて販売しております。
もちろんそのほとんどが当店ですがたくさんの知恵と時間と愛情をかけて生産した海ぶどうが「海ぶどう」というくくりで一律の価格になってしまうのが納得がいかないそうです。
現在沖縄県内はじめ県外からの需要が多くなり、大きな漁協などでは何億ものお金をかけています。そうした中で、山川氏の3箇所ある養殖場はいけすや選別場、屋根もすべて手作りです。
お金を掛ければ楽が出来ますが個人のいち生産者には莫大な資金はありません。その分今まで培った知恵と経験があります。新鮮な海水は目の前のきれいな海からポンプで引き込み水温を最適な温度に保つとともに水質を保っています。なんと餌は真鯛の養殖に使われる餌に独自のブレンドを加えたものを使用しています。
一番といっても過言でないほど重要なのが『自然の光」です。自然の光をたっぷりと注ぎ込むのと同時に、海水温度の調節をしています。もちろん大きな養殖場では電気などで温度調節をすることも出来ますが、山川氏はなるべく自然の光を使って大切に育てています。養殖池の上には手作りの遮光シートが3重にも重なっておりその日の日差し、季節、海水温などを見ながら一日に何度も開け閉めをすることで調節しています。また上からの日差しだけではなく水深も調節しながら温度と光の管理も行っています。
当店でも「茎付き」の商品は取り扱っていますがこれはあくまでも『B級品」です。
最近では売りやすく仕分けの手間が省ける「茎付き」をたくさん生産しているところもありますが、当店と当店と仕入れをしている生産者ではあまり力を入れておりません。
通常海ぶどうは、母草と呼ばれるものを植え付け約2週間から2ヶ月ほどかけて成長させます。茎の太く育った良い母草から粒の大きな海ぶどうが育ちます。
一つのいけすからは一回の収穫で120キロほど採れ、さらに選別することで80キロほどの製品ができます。その残ったものの中から茎の太いものを母草として使い、余った部分が「茎付き」となります。母草は2回が限度でそれ以降は質が悪くなるので山川氏は使っていません。本来それほど量は取れないのですが現在は「茎付き」がたくさん出回っています。山川氏に尋ねてみると、余った茎だけを買い集め、それを少し育てた「茎付き」を中心に作っている生産者がいるそうです。
そうすると、どのように育てられたかわからない「茎付き」をいけすに入れる為、茎付きでない製品自体の品質が悪くなってしまいます。山川氏は、仕上がりの状況を判断し「茎付き」にまわしているので、そういった事は絶対にしないそうです。 海ぶどうは生き物です。365日毎日成長するので目と手が離せないのが苦労する点です。質の高い海ぶどうを作る為には、様々な費用がかかりますが、山川氏はポリシーと情熱をもって海ぶどうを育てています。
海ぶどうができるまで
海ぶどうの母草を網ではさみ養殖池に入れます。
夏場だと2週間ぐらい、冬場で2か月くらいかけて成長していきます。
自作のカーテンで季節や天気、水温を見ながら光と水温を調整していきます。生き物相手なので365日毎日休みなく調節しています。
海のすぐ近くの養殖場なので台風などの影響をモロにうけます風よけなどもすべて手作りで対策しています。
3週間から2ヶ月かけて成長した海ぶどうを刈り取ります。
一つ一つ選別し、商品、茎付き、母草にするものに仕分けます。
切り取った時の切断面を安定させるため選別したものを1日いけすに入れその間に殺菌も行います。
鮮度を保つために養殖場か出荷する直前に洗濯機を改造した機械で水けを飛ばします。
当日発送できる時間に間に合わせて当店へ届けていただいております。
当社で再度鮮度の良いものだけに仕分けをします。左の方の茎が黒くなっているものや、粒のはりの弱いものなどは移動中にしぼんでしまう可能性があるのでより厳しい当社の基準で再度仕分けを行います。ここはほとんどの販売店では行っていない作業です。
夏場など多い時には3割近いロスが出ることもあります。また枝分かれしているものは茎付きにまわします。生産者に返品する場合もあります。そこが他社の行っている「生産者直送」との大きな違いになります。そこまでチェックしても夏場などは輸送中にしぼんでしまうことがあります。一部がしぼんでしまうと周りのものもダメになってしまうのです。
最後に、当社の工場で小分けのパックに詰めていきます。
海ぶどう、食べ方いろいろ